恩恵を受けやすい雇用形態

福利厚生とは、企業が従業員に対して提供するさまざまなサービスや制度のことである。健康保険や厚生年金といった法定の福利厚生をはじめ、食事の補助や職員寮、交通費補助、保養施設の利用など、企業や加入している社会保険組合によってその種類は多岐にわたる。
福利厚生は、従業員の生活を支え、働きやすい環境を作る上で重要な役割を果たしているのだ。

福利厚生の対象は、正社員限定とされているケースが多い。正社員は、企業にとって重要な役割を担う存在である。長期的に安定した雇用が見込まれ、責任ある仕事を任されることも多い。福利厚生は、そうした正社員の働きに対する対価として提供される側面もある。
正社員は、一般的に、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険といった社会保険に加入することが義務付けられている。
これらの社会保険は、病気やケガ、失業などの際に、従業員と家族の生活を保障するための制度である。また、企業によっては、社会保険組合に加入している場合もある。
社会保険組合は、複数の企業が共同で設立する団体であり、組合員である従業員に対して独自の福利厚生を提供している。

社会保険組合独自の福利厚生の場合、社会保険に加入している従業員であれば、雇用形態を問わず利用できる場合もある。つまり、パートやアルバイトなどの非正規雇用であっても、社会保険に加入していれば、福利厚生の恩恵を受けられる場合があるのだ。
福利厚生の内容は企業によって異なるため、事前に確認しておくことが大切である。